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嫌な人にならずに自己主張して自分の望む報酬を得る秘訣

日本人は自己主張が苦手?

こんなことで悩んでいませんか?

  • 断るのが苦手で損してばかり
  • いつも相手の言いなりになってしまう
  • 嫌われるのが怖くて自分の意見を控えてしまう

これらの悩みに共通するのは何でしょう?

それは、「自己主張が苦手」ということ。

また自己主張という言葉に対してどんなイメージがありますか?

  • 気が強そう
  • 押しつけがましい
  • 自己中心的

こんなワードを連想する人が多いようです。

  • 角が立たないように
  • なるべく穏便に
  • 空気を読む

私たち日本人は協調性を重んじるため、違う意見を言うと、相手に嫌な思いをさせるのではと心配しがちです。

アメリカ人は自己主張が強いと言われますが、彼らはみんな攻撃的で、押しつけがましく、自己中心的なのでしょうか?

もちろん、そんなわけないですよね。

私がアメリカ生活の中で感じてきたことは、アメリカ人は自己主張するけど、他人に自分の意見を押しつけないということです。

自己主張に良いイメージを抱かない人は、「意見の押しつけ」という、マイナスなイメージを持っていることが多い気がします。

でも「私がこういったんだからこうしてね」という押しつけをするのは、実は圧倒的に日本人に多いといわれています。

それに対してアメリカ的な自己主張の基本的な考え方はこんな感じ。

「私はこう思うけど、あなたはどう思う?あなたの意見にも一理あると思う。でも私とは違うね」

お互いに意見を言った後は、両方の立場を尊重し合いながら、妥協点を探っていきます。

まず相手の意見を尊重する土台があって、初めて自己主張が成り立つと思います。

相手の意見を無理やり論破して、従わせるというのは、実は自己主張とは真逆のことなんですよね。

正しい自己主張とは、自分の立場を明確にして理解してもらうための手段。

そんなことを考えていた時に読んだ一冊を紹介します。

本日の一冊

Assertiveness」
〜自分を守り味方を作る自己主張術〜
デヴィッド・バッチ
・著

「アサーティブネス」とは?

本のタイトルである「アサーティブネス」という言葉。

企業研修などで「アサーティブ・コミュニケーション」を学んだという方もいるかもしれませんね。

辞書で引くと、アサーティブ=自己主張と訳される場合が多いこの単語。

本来の意味は、

 「自分と相手の意見を同等に尊重しながら、気持ちを適切に表現すること」 

といったニュアンスです。

バランスの取れたほどよい自己主張といったところ

自分のコミュニケーションスタタイルを知ろう

ここで本書からクイズです。

こんな状況を思い浮かべてみてください。

あなたは旅行に行きたいと思っています。

でも一人で行くのは嫌なので友人を誘うつもりです。

アサーティブ・コミュニケーションを活用した誘い方は、以下の3パターンのうちどれでしょう?

パターン1

「今度旅行に行くからいろいろ準備してるところ。

Aちゃんも一緒に行けそうなら早めに教えてもらえる?

5月の2週目にビーチ近くのホテルを予約済みだよ。

参加なら旅行前までにホテル代半分の支払いをよろしく。

あと飛行機のブックキングは自分でお願いね」

パターン2

「Aちゃんはどうか分からないけど、旅行に行きたい気分なんだよね。

XXには良さそうなビーチがあるみたい。

もし行きたかったら計画するから教えてね」

パターン3

「5月になったら旅行に行こうと思ってる。

Aちゃんと一緒に南国の島で海水浴とハイキングを満喫できたらいいなと考えてるよ。

この計画に興味があったら、ぜひ予定が空いてる日を教えてね」

さて、上の3つのうちアサーティブなコミュニケーションはどれでしょう?

正解はパターン3!

各コミュニケーションパターンの特徴

パターン1は「アグレッシブ・コミュニケーション

相手よりも自分の意見の優先度が高く、強引な人だと思われる可能性が高い。

パターン2は「パッシブ・コミュニケーション

日本人に多いと言われる受け身タイプ。

気持ちが伝わりづらく、相手から「本当にそう思ってる?」と疑われてしまう可能性あり。

パターン3が「アサーティブ・コミュニケーション

ほどよく自己主張して、ちゃんと自分の意思を伝えつつ、相手の都合も考慮しています。

いつ頃なのか、何をしたいのか、具体的な情報が散りばめられていて、誘われた側も返事しやすいですよね。

このように、円滑なコミュニケーションを生むには、ほどよく自己主張を織り混ぜるのがポイントです。

「自分はこう思うからこうしたい」

これをちょうどいい感じに伝えられるようになると、相手からポジティブな反応が返ってくるようになります。

また理不尽なお願いする人を上手くかわせるというメリットもあるんです。

本書に書かれているアサーティブ・コミュニケーションを生かした「嫌な人にならず、自己主張して望む報酬を得る秘訣」をみていきましょう。

嫌な人にならず、自己主張して望む報酬を得る秘訣

より高い報酬を得るためには仕事で成果をあげる必要がありますよね。

でも残念なことに、世の中には自分の仕事を人に押しつけたり、人の手柄を横取りしようとする人がいるもの。

特に同僚など近い関係だと、むやみに波風を立てたくないし、悩みますよね。

アサーティブ・コミュニケーションを活用すればこんな人を上手に撃退できる!

ケース1:不必要な仕事を断りたい時

同僚のAさんは、社内の重要なプロジェクトを任されています。

彼は面倒くさがって、すぐに人に頼る癖があります。

Aさんは忙しいから、来週の会議で発表するプレゼンの準備をあなたに代わりにやってもらえないかと聞いてきました。

こういったことをお願いされるのは今回が初めてはありません。

こんな時、気まずい雰囲気を出さずに断るにはどう対応すべきでしょうか?

【本からのアドバイス】

まず、お互いの都合の良いタイミングで話し合う時間を持ちます。

そして、こう切り出します。

「Aさん、大きなプロジェクトを任されててすごいね。

大変だとは思うんだけど、私も他の仕事の納期が迫ってて手いっぱいなんだ。

もしプレゼンの準備を引き受けたら、会議までに終わらせられない。

私は私で自分の仕事をきっちり終わらせるよう頑張るから、Aさんも頑張って。

今から準備すればきっと大丈夫だよ」

【ポイント】

  • 相手の立場と状況を理解して認める
  • 自分の状況を明確にする
  • 優先順位をはっきりさせ、相手のとの間に境界線を引く
  • しょうがないと納得してもらう

最初から「ムリ!」と突き放して反感を買うこともなければ、「この人は断らないから」と仕事をどんどん押しつけらるのも防げます。

前向きな雰囲気で会話が終わるので、気まずさも残りません。

ケース2:昇給を認めてもらう方法

次は昇給の交渉について。

いつも影からあなたの頑張りを見守り、正当に仕事を評価してくれ、何も言わなくてもどんどん給料を上げてくれる。

こんな職場だったら最高。

でもほとんどの人にとってそれは現実的でないですよね。

もっと給料が欲しいのであれば、「自分はもっと給料が欲しい。それに見合う価値がある」ということを上手く伝える必要があります。

伝えて初めて、あなたの気持ちに気がついて、周りが動いてくれるのです。

さて、アメリカ人でもナーバスにならない人はいない昇給の交渉。

嫌な人にならず、納得してもらえる秘訣は何?

断られないために、どんな戦術を立てるべき?

【本からのアドバイス】

昇給交渉に必要なこと:

  • ミーティングの設定
  • 入念な準備
  • 具体的なケースを提示して理路整然と説明する
  • 相手の疑問をなくすよう努力する

昇給交渉を成功させる3ステップ:

1、上司と昇給についてのミーティングを設定する

相手にも事前に準備する時間を与える。

2、準備する

  • 客観的な仕事の成果を示せる証拠(成果リスト)を用意
  • 同業種で働く同年代で同じようなレベルの人の平均給与をチェック
  • 自分のスキルアップにつながるトレーニングを受けているならその書類集める
  • 表彰履歴、同僚からの推薦状、顧客からのフィードバック、販売実績など、自分の価値を示す情報を集める
  • 現職に役立つ関連スキルをリスト化する

3、いざミーティング!

話す前から、交渉はスタートしています。

まずはボディーランゲージを活用して、雰囲気つくりから。

部屋に入ったら、背筋を伸ばして、堂々と歩き、しっかり挨拶しましょう。

席に着いたら相手の目を見て自信を伝えます。

一呼吸おいたら、こちらから会話を始めましょう。

導入部分はシンプルに。

「XX部長、今日は昇給についてお話があってお呼びしました。

お時間を頂きありがとうございます」

次に、具体的な金額を伝えます。

「○○%の給与アップをお願いしたいと考えています」

そして、何が昇給に値するのか、あなたの価値を説明します。

「私は、新規顧客からの売り上げを昨年から2倍に伸ばしています。利益に至っては昨年比で3倍の増加です。また私の作ったプレゼン資料は現在全社で使われ、会社全体の売り上げアップに貢献しています」

「同じ業界のこの役職で、同等レベルの経験を持つ人の平均年収は、XXX万円です。

会社への貢献度を考慮いただいた上で、業界の水準に合わせた金額にマッチするため、年間XX万円の給与アップを希望します。

もう一度、私の評価について考え直していただけますでしょうか」

この時、できるだけ具体的に数字に言及するのがポイント。

思いつきの金額だと思われないよう、合理的な理由付けを意識しましょう。

ここまで話終えたら、

「XX部長のご意見もぜひお聞かせください」

と、相手側の主張を聞く時間を持ちます。

今すぐにイエスなのか、ノーなのか知りたいところですが、上司も上との兼ね合いがあり、すぐに判断を下せるわけではありません。

その場ですぐに決断するようプレッシャーをかけるのはやめましょう。

後日回答するということであれば、その対応を尊重します。

もし、その場でノーと言われたら、感情的にならず、再度交渉しましょう。

実は、上司も心の中でこの人ならいいかも思ったとしても、最初のリクエストは一旦拒否するよう会社から言われている場合が多々あります。

条件なしにむやみに昇給を与えないのが、良いマネージャーの素質でもありますからね。

だから、ここで「しょうがない」と諦めてしまうのはもったいない。

ノーと言われてからがスタートだと思って、落ち着いて交渉を続けましょう。

「まだスキルが足りない」と言うのであれば、「仰しゃる通り、自分でもスキル不足を認識していたので、最近スキルアップのトレーニングを受けました」と、あらかじめ準備しておいた書類を見せてあげましょう。

上司が感じている疑問に丁寧に答え、決断するプロセスを助けてあげてください。

上司が感じた不安要素を取り除いてあげることができれば、最終的に必ずイエスを引き出せるはずと著者は言っています。

コミュニケーションを重ねることでお互いの考えがよく理解でき、以前よりも信頼関係が深まるかもしれません。

ちゃんと自己主張した方が人生絶対に上手くいく!

最後に

ご存知の通り、アメリカはなんでも交渉ベースの社会。

昇給に関しては、一度の交渉で給与が1.5倍になったなんてこともザラにあります。

でもこれを実現するには、基本自分で会社に対して交渉しないといけません。

私も過去に昇給交渉を受けた経験が何度もあります。

その中で、「この人の主張は理にかなっているな」と昇給を後押ししたいと思わせる人もいれば、「この人はただお金が欲しいだけ」と評価を下げてしまう人もいました。

言われる側の立場になった経験から、どんな人が「がめつく」見えてしまうのか、私の考えを最後に一つだけお伝えします。(あくまで個人的な意見です)

当然ですが、昇給は「仕事の成果に対する報酬」ですよね。

なので、昇給交渉の場では仕事のパフォーマンスやスキルについて議論が交わされるべきです。

でも中には給与アップしてもらう材料になりそうだと、途中から関係のない理由で説得しようとしてくる人もいます

(アメリカで働いていると日本の常識は通じません。びっくりするようなことを言われることもしばしば。。。)

例えば、

「家庭の経済状況が厳しい」

「同僚はもっと給料をもらってるはず」

「他社からもっと条件の良いオファーがきてる」

こういった論点がずれた話が出てきた途端、一気に「正当に仕事の評価をしてほしい人」から、単に「お金が欲しい人」に見えてくる気がしました。

もちろんもっとお金が欲しいというのはみんな共通の願いですが、それが見え見え過ぎると明らかに損です。

あと「他社からのオファー」を切り札にする人がよくいますが、本当に転職する覚悟がなければ使わない方が無難かと思います。

「もっと高い給料をくれなければすぐにでもよそに行っちゃうよ」という脅しに近い交渉は、仕事に対する責任感が欠けて見える気がします。

また「今の条件に満足できないなら転職してくれて結構」と言われたらどうでしょう?

本当にオファーがあれば良いですが、嘘をついていた場合、給与も上がらないし、気まずいまま会社に残るのは嫌ですよね。

嫌な人にならずまっとうな報酬を得るのであれば、まずは正しい自己主張の仕方を身につけるのが近道です!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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イラストと図解で「相手も自分も大切にする気持ちの良い自己表現」の基本をわかりやすく解説しています。

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※ピックアップされた洋書の要旨を説明することもありますが、 それはあくまでも「前提を共有」することが目的であり、 著者の見解の詳細を伝えることを目的とするものではありませんので、 あらかじめご理解ご了承をお願いいたします。

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