洋書

あなたの印象をアップする3つの話し方のコツ

本日の一冊

21 Days of Effective Communication
21日間で学ぶ!
対人能力と社会的知性を高める習慣
イアン・トヴォスキー・著

新しい友人を作りたい人から、対人スキルに不安を抱える人まで。

短期間でグンとコミュニケーション能力を高めるヒントが詰まった1冊です。

コミュニケーションに対する苦手意識の原因

本書ではコミュニケーションをこう定義しています。

もともと人間に備わっている能力で、本来なら意識せずとも自然に行えるもの。

本書より

でもなぜ多くの人がコミュニケーションに苦手意識を持っているのでしょうか?

その原因が著者の経験から見えてきます。

著者は成功者の多い家庭環境で生まれ育ちました。

子供の頃から家族の中で自分は劣っている存在だと感じ、新しいアイディアを提案しても批判されると思っていたそうです。

7歳になる頃には、母親がいくら頭のいい子だとほめくれても信じられず、だんだん内向的になっていきました。

20代になると普通に友人もでき、女性とのデートを経験して恋人もできました。

でも心のどこかで物足りなさを感じていたそうです。

心の奥底で深く誰かと繋がるのを実感できずにいました。

大学を卒業して就職すると、初対面の人と話す機会が増えて、こんなことで悩むようになりました。

  • 自分の言動が気になり会話に集中できない
  • 話しかけるのが苦手
  • 会話が続かない

「自分はコミュニケーション能力に問題があるのかもしれない」

そう気づいた瞬間、今まで避けてきた課題がズシンと肩にのしかかりました。

「今この問題をクリアしないとこの先、楽しく幸せな人生を手に入れられないかも・・・」

そんな不安から一念発起。

それからは心理学やコミュニケーションに関する文献や研究結果を調べ尽くし、たくさんのセミナーに参加するように。

その結果、幼少期の劣等感から生まれた自己肯定感の低さが、自然なコミュニケーションを邪魔していることが判明。

そして、コミュニケーション能力は後天的な努力によって絶対に伸ばせるということを学びました。

コミュニケーション能力は努力で伸ばせる!

印象をアップする3つの話し方のコツ

本書では、”今すぐやめたい印象を悪くする3つの話し方”を紹介しています。

これをしないだけでイメージアップにつながると思います。

ひとつずつ見ていきましょう。

まず好かれる人には「聞き上手」な人が多いと言われますが、聞き上手な人とそうでない人の一番の違いってなんでしょう?

目を見て聞く、適度な相槌を打つ、オウム返しをするなど、聞き上手になるための様々なテクニックがあります。

でも一番大切なことは 、 “相手の話を聞き終えるまで待つ”こと。 

これだけ意識すれば良いと言っても過言ではありません。 

なので、 印象を悪くする1つ目の話し方の癖は、

会話の途中で話を中断させる

本書より

もしあなたが話しているのに、途中で何度も会話を中断されて会話が進まなかったらどう感じるでしょう?

きっとイライラしますよね。

これは、話を中断させられると、自分の考えよりも相手の意見の方が大事だと言われてる気がするからです。

言うのは簡単ですが、これが意外と難しい。

悪気なくしてしまったり、時には良かれと思ってやっているのが逆効果になっている場合があります。

例えば、確認のための質問

もっと理解したいという思いから、つい話の最中に質問していませんか?

質問するのは良いことですが、タイミングを間違えると会話がスムーズに進まなくなり、相手が不快に感じてしまいます。

 気持ち良く話してもらうために、相手が話終えたタイミングで質問してみましょう。 

反射的に聞くよりも時間を置いたほうが、真摯に話を聞いている姿勢が伝わります。

次に、印象を悪くする2つ目の癖は、

ほめ言葉を否定する

本書より

ほめられた時、照れくさかったり懐疑的になったりして

「そんなことないですよ」

「本当は全然ダメなんです」

「たまたまですよ」

なんて言っていませんか?

大半の人が遠慮して、ほめ言葉を素直に受け取ることができません。

でも「ありがとう」と素直に喜んで受け取ると、あなたの印象は下がるどころかむしろ上がります。

言葉は目には見えないプレゼント。

他のプレゼントと同じように、送る側は相手の喜ぶ顔を想像して言葉を選んでくれます。

否定しながら受け取れば、相手はがっかりした気持ちになります

相手が使ってくれた時間、勇気、労力をムダにするのは今すぐやめたいものです。

ほめてもらったら、ただシンプルに「ありがとう」と言って受け取ってみてはいかがでしょう?

もし相手が皮肉を込めたり、こちらを攻撃しようとしていても、「ありがとう」とそのまま受け取りなさいと著者はアドバイスしています。

凛とした態度で受け止めると、相手は拍子抜けしてして負けたと感じるそうです。

そして、印象を悪くする3つ目の癖は、

回りくどい表現を使う

本書より

短い内容を長々と話す人は、話す前から嫌だなと思ってしまいますよね。

なぜなら、回りくどい話し方をする人は、

  • 何を言いたいのか
  • どうしてほしいのか
  • 何をしたいのか

話を聞けば聞くほど分からなくなるからです。

 反対に、伝え上手な人はシンプルな言葉で簡潔に説明します。 

相手が消化しやすいよう短い言葉で話すとより伝わると知っているからです。

ちなみに、呼吸一回分で言い終える長さで会話を区切ると良いそう。

話した後に「つまり〜ということですか?」とよく聞かれる方は黄色信号。

「もしかしたら自分の話し方は回りくどいかも」と不安な方は、“結論から話す”を意識してみると、話がすっきりまとまります。

以前セミナーで聞いた話。アメリカ人が集中して話を聞ける時間は大人でも17秒!ネットでは8秒なんて記事も!

対人関係の悩みを克服できる意外な方法とは

著者のコーチングセッションに訪れたジェニーという女性の話を引用して紹介します。

ジェニーは弁護士として働く30代半ばの女性。

彼女は職場のメンターからこう言われたそうです。

「クライアントに対して自分の意見を言えるようにならないと。このままでは昇進は難しいよ」

ショックを受けたジェニーは自己主張に関する本をたくさん読み、セミナーにも参加しました。

しかしいくら対人能力を改善するテクニックを学んでも、自信をつけられずにいました。

「どうすればいいか分からないんです」

著者との最初のコーチングセッションに訪れた時、彼女はそう言いました。

「反対意見をぶつけたり議論しないといけない時、頭の中が真っ白になって言葉が出てこないんです。なぜセミナーで学んだことを、その場でそのまま実践できないんでしょう?まるで自分の中の何かがそうさせないようにしているみたい」

著者は発達心理学の観点から、彼女の問題を分析することにしました。

「もし良ければ、ご両親の性格や友人関係、あなたとどのようにコミュニケーションを取っていたか教えてもらえるかしら?」

と著者はたずねました。

その後、こんな会話が続きます。

ジェニー:

両親は寛大で我慢強い性格です。

でも父はたまにカッとなって怒ることがありました。

母は上手くいかないことがあると不機嫌になります。

二人にはそれぞれ友人がいてまあまあ社交的だと思います。

著者:

なるほど。あなたのご両親は、はっきり自己主張するタイプですか?

ジェニー:

うーん、どうでしょう。

父はけっこうはっきり自分の意見を言うタイプだと思います。

話の邪魔する人がいれば、それを指摘するような人なので。

母はなんというか、本人は自覚がない思いますが・・・

著者:

というと?


ジェニー:

母は心の奥で、女性は人の機嫌を損ねるような言動をするべきでないと思ってる気がします。

説明が難しいのですが・・・

母は直接的に、女性は自己主張すべきでないと言ったことはありません。

でも今考えると、母の友達はみんな “パッシブ・アグレッシブ” な性格の人ばかりでした。

母は自己主張の強い女性が好きでないと思います。

昔から一人で遊んだり、静かにいい子にしている時に、母は一番ほめてくれました。

※パッシブ・アグレッシブとは、直接的でなく、怒りや不満を相手にそれとなく伝えること

本文より

話を続けるうちに、ジェニーの消極的な性格は、母親から引き継いだのだとわかりました。

ジェニーの叔母はもっとストレートで裏表のない性格だったそうですが、遠くに住んでいたため彼女のお手本になりませんでした。

ジェニーの父親が積極的に子育てに参加していたら、彼から適切に自己主張する方法を学んだことでしょう。

でもそれも起こりませんでした。

その結果、ジェニーは対人スキルの大部分を母親から学びました。

 社会学習論の考え方によると、私たちは幼少期に一番長く時間を過ごした大人から行動や価値観をインプットします。 

ジェニーのケースでは、母親が彼女の主なお世話役だったため、彼女は自然と母親の振る舞いや考え方を引き継ぎました。

大人になった今でも、ジェニーにとって自己主張は幼少期の教えに反するので、気まずく感じてしまうのは当然です。

彼女は幼少時代に植え付けられた思考パターンから抜け出す必要がありました。

そこでまずやったのは「自分は母親のレプリカになる必要はない」と自覚すること。

次に、著者は弁護士事務所で働く他の女性で、臆せずに自分の意見を言える人を見つけるよう伝えました。

そして新しく見つけたお手本の行動と言動を真似して、自分の中に新しい価値観を定着させるようアドバイスしました。

なぜ同じ職場の人だったかというと、一番長い時間を過ごす相手をロールモデルにするのがより効果的だから

 過ごす時間が長ければ長いほど、その人の影響力が増します。 

その結果、コーチングを受け始めてから数ヶ月後、ジェニーはしっかり自己主張できるようになり、晴れて昇進できたそうです。

この例のように、私たちのコミュニケーションの癖や対人関係は、親から引き継いでいる部分が多くあります。

もしあなたがコミュニケーション能力に対して何らかの悩みを抱えているとしたら。。。

本書からピックアップした5つの質問があなたの悩みを解決するヒントになるかもしれません。

コミュニケーションの癖を知る5つの質問

これからする5つの質問をぜひ自分に問いかけてみてください。

質問1:両親は社交能力に長けていたか?

本文より

楽しく会話しながら対等な人間関係を築ける親に育てられた場合、子供も健全な対人能力を身につける可能性が高まります。

逆に、対人関係が苦手な親を見て育った場合、子供は親から社交の場でどのように振る舞うべきかを学べません。

自分はシャイな人間、社交性が低いと自己暗示をかけてしまっている人は、ご両親の姿と自分を重ね合わせていないか?チェックしてみてください。

質問2:両親に友達はいるか?

本文より

どんな交友関係を持ちたいのかは、人によって違います。

しかし、友人が一人もいないというのは、おそらく普通ではありません。

親が他者に対して全く興味を示さない人だとすると、人への接し方を家庭で学ぶ機会がないので、興味を示してくれる人に対してどんな反応すれば良いか分からず、子供が混乱するようになります。

あなたのご両親の友人関係を考えてみましょう。

質問3:家庭に対人関係に関するルールが存在していたか?

本文より

私たちは、一番身近な家族の行動を引き継ぎやすい性質を持っています。

子供は大人の言うことよりも、実際に何をしたかに敏感に反応して吸収する生き物。

あなたのご家庭には、「人付き合いとはこういうもの」「他者に対してこう振る舞うべき」といった、暗黙のルールが存在していましたか?

あなたはその影響を受けていませんか?

質問4:両親は意見の違いを柔軟に受け入れる方法を教えてくれたか?

本文より

意見の違いを柔軟に受け止める方法を知っている人は、自分の意見が絶対に正しいと思いません。

相手から学ぼうという姿勢なので、意見をぶつけ合ってもプラスの方向に関係を深めていくことができます。

質問5:両親は感情を表に出すこと、自己主張することを良いとしていたか?

本文より

著者は自分の気持ちをうまく表現する言葉を持たない人たちに、沢山出会ってきました。

彼らに共通していたのは、強く感情を表に出すのに拒否反応を示す親に育てられたこと。

「伝えたいことがあるのに言葉が出てこない」

「自分の意見を言うのが恥ずかしい」 

「変なことを言っていないか気になる」

もしいつもこんな風に感じるなら、幼少時代に原因がないか考えてみましょう。

これらの5つの質問を考えてみて、もし対人関係の悩みが自身の幼少期からきていると分かったら、上のステップを試してみましょう。

身近な人の中から「こんな風になりたい」と思える人を見つけて、その人の行動や言動を真似することで、悩みを克服できるかもしれません。

最後に

本から紹介した質問に対してどんな回答をしたとしても、決して落ち込まないでくださいね。

親から引き継いだ性格なのだからしょうがないとあきめる必要もありません。

知ることは変わることへの第一歩です。

まずは今のありのままの自分を受け止めましょう。

「自分にはできない」「自分にもできるかも」と見方を変えることから始めてみるといいかもしれません。

そうすれば、今まで

自分にはできない
➡︎チャレンジしない
➡︎結果がでない

だったのが、

自分にもできるかも
➡︎チャレンジする
➡︎結果が出る

に変わるはずです。

この本から得たヒントが、コミュニケーションに関する悩みを解決するお役に立てば嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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※ピックアップされた洋書の要旨を説明することもありますが、 それはあくまでも「前提を共有」することが目的であり、 著者の見解の詳細を伝えることを目的とするものではありませんので、 あらかじめご理解ご了承をお願いいたします。

 ※セレクトされた洋書にご興味をもたれたら、 是非原書をお読みになることをお薦めします。 おそらくこの記事をお読みになった後であれば、 英語に苦手意識のある方でも、 予想以上に理解・活用できるかと思います。