洋書ブックレビュー

米国のカリスマ教授が教える幸せな人生に必要な3つの〇〇

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今日の1冊はこちら。

「The Algebra of Happiness」

ー幸せの方程式ー

スコット・ギャロウェイ・著

アメリカで2019年5月に出版された本です。

著者のスコット・ギャロウェイは「世界最高のビジネススクール教授50人」に選ばれたこともあります。

著者の前作「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」は日本でも出版され、2019年の東洋経済新潮社の「読者が選ぶビジネス書グランブプリ」総合1位を獲得しました。

いわゆるカリスマ教授なんですが、動画などで話してるとこみると、強面で、怖そうでだし、口が悪い。笑

そんな人が人生の幸せを追求する本を出した?

いったいどんな本なんだろう?

興味が湧いたので、この本をピックアップしました。

本を読んだ率直な感想は、大学教授らしい地に足のついた内容だな。

引き寄せの法則とか、セレンディピティとか、キラキラしたライフスタイルを手に入れるとか、そういった考え方の真逆をいく本です。

「夢をあきらめるな」

「好きなことを仕事にしよう」

といった若者を鼓舞するような言葉はなく、逆にそういった風潮に騙されない方がいいよ、というのが彼の主張です。

本では仕事、学業、パートナーシップ、子供、健康について書かれていますが、今回は仕事面にフォーカスしました。

名門ビジネススクールの教授が語るこの先の時代を賢くしたたかに、着実に成功するための秘訣をピックアップしました。

さて、ギャロウェイ教授はこう言っています。

「仕事で成功したければ◯◯にしたがうな」

◯◯とはなんだと思いますか?

常識? 直感?上司?

正解は「情熱」

アメリカの大学では卒業式に有名起業家を招待することが多く、スティーブ・ジョブズのスピーチなんかが有名ですよね。

彼らはこれから社会に出て行く若者に、好きなことを追求する素晴らしさ、夢をあきらめないことの大切さを語ることが多いです。

でもギャロウェイ教授のアドバイスはちょっと違います。

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自分に合った仕事を知りたければ

  1. 他人があなたにお金を払うこと
  2. 苦手ではないこと
  3. 他人より得意かもしれないこと

この3つの全てに当てはまるものを選ぶべきだ。

(本書より)

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自分にはどんな仕事が向いているのか?

どんな職業につくと成功しやすいのか?

これを知るには、まず紙に大きな円を3つ書いてみましょう。

そして、それぞれの円の中に

  1. 他人があなたにお金を払うこと
  2. 苦手ではないこと
  3. 他人より得意かもしれないこと

をそれぞれ書き込んでいきます。

その中で重複する回答が、あなたに一番向いている仕事というわけです。

成功への近道は、まず他人より得意なことを見つけてそれに時間を投資すること。

スキルを高めることで「得意かもしれない」というふわっとした感覚から、確信できる「強み」に変えいきます。

ある程度訓練を重ねて「自分はこれが得意だ」と感じられる状態までたどり着くと、その気持ちが原動力になって、もっと夢中になり、結果的に情熱が生まれるという仕組みです。

情熱を感じるかを基準にスタートすると、後になって実はそんな好きでないと気づいたり、自分の特性が生かせなかったり、挫折する卒業生が多いそうです。

自分の特性を理解した上でスタートした方が成長が早いし、得意なことを極めていけば、それがいつか情熱に変わる。

その方が効率的がよく、結果的に仕事への満足度も高くなるし、経済的な成功を納めやすい。

これが、本のアドバイスです。

それでは、どんな業種を選ぶと精神的にも経済的にも、幸せになりやすいのでしょうか?

ギャロウェイ教授によるキャリアアドバイスはこうです。

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退屈はセクシーである。

※Professional Fufillment=仕事に対する満足感

※Sexy Job=一般的に華やかだといわれる仕事

(本文より)

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退屈そうに見える仕事ほど、長期的にみると満足度が高いことが多い、というのが彼の考え。

実際に、世界の資産家トップ300人には鉄網、石油、ガス、保険関係など、ドキドキやワクワクには欠けるけど安定した業種の人たちが多いです。

逆に若者が憧れやすいインフルエンサー、ユーチューバー、メディア・ファッション関連の仕事はすすめていません。

理由は、ほとんどの人にとって経済面でも精神面でも、満足するのが難しい職業だから。

子供のなりたい職業上位のユーチューバーも、生計を立てられる人はごく少数です。

あるウェブサイトによると、YouTube広告で月20万円を稼ぐ場合、ひと月に必要な再生回数はざっくり400万回だそうです。

これを達成するには1ヶ月を30日間と考えて、3.3万回再生される動画を、毎日4本アップし続ける根気が必要です。

本業にしようと思ったら、好きな気持ちだけではなかなか続けれられません。

ユーチューバーやインフルエンサーにとって、「好きなことを仕事にできている自分」を発信するのは仕事の一部。

そうやって自分をブランディングして、ファンを増やすことが彼らの収益に繋がります。

なので外目には仕事の魅力的な部分だけがフォーカスされがちです。

これを鵜呑みにしてしまうと危険。

SNS上の発信は真実でないことが多いから騙されてはいけないよ、というのが本のアドバイス。

そして、どんな仕事や業種を選んでも、「3つの基本」を大切にしない人は成功できないと言っています。

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遅刻しない

正しいマナーを身につける

フォローアップする

なによりもまずこの3つを

しっかりできる大人になりなさい。

(本文より)

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能力や学力うんぬん以前に、人として当たり前のことをまずは身につけなさいという教え。

なんだ、当たり前のことじゃん、と思ったかもしれません。はい、その通りなんです。

でも、名門ビジネススクールの学生でさえ、これができない生徒が多いということなんでしょう。

ある生徒から届いたクレームに対して、ギャロウェイ教授が送った有名なメールがあります。

授業に遅刻してきた生徒を教室に入れなかったことについてのメールのやり取りですが、話題を呼び70万アクセスも集めたそうです。

遅刻のルールを通して、彼は生徒に良識を持つことの大切さ教えました。

最後に実際のメールを紹介して終わります。

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生徒からのメール:

ギャロウェイ教授へ。

昨日のあなたの対応に抗議したくてこのメールを書きました。

昨日の午後6時、私はあなたの講義に1時間遅れで到着しました。

クラスルームに入ろうとした時、あなたはこう言いました。

「今日は帰って、次回出直しなさい」

その後、他の生徒と話し、あなたは15分以上遅刻した生徒の入室を認めないことを知りました。

昨日は新学期の初日でしたよね。

私の取りたいクラスは同じ時間帯に3つ重なっていたので、全部のクラスに少しずつ出て、どれにするか決めるつもりでした。

初めてあなたの講義を取るので、遅刻のルールについて知らなくて当然です。

あなたの行動にはがっかりしました。

遅刻に関するルールを事前に知らされていなかったこと。昨日は新学期の初日だったこと。ただの遅刻ではなく目的があって1時間遅れたこと。

あなたはこれらの理由を考慮せず、私を追い返しました。

すでに別の教授の講義に申し込みましたが、私の率直な気持ちを伝えたくて、このメールを送ります。

XXXXより

ギャロウェイ教授の返信:

XXXXさんへ

率直な意見を聞かせてくれてありがとう。私からも伝えたいことがあります。

念のため確認させてください。

あなたはまずひとつ目のクラスに行き、15−20分後に授業の途中で退席し、次のクラスに20分遅れで到着しました。そして少し経ってから、その授業を去り、最後に私のクラスにきました。その時点で、授業が始まって1時間が過ぎていたので私はその日は帰るよう伝えました。

私のこの対応が、あなたを嫌な気持ちにさせたということで合っていますか?

あなたの言い分では、私の講義を取るのが初めてでルールを知らなかったのだから、1時間以上遅れてきても、受講を許すべきということになります。

リスクヘッジの観点から説明させてください。

どの授業を受講するべきか選べないという場面に直面して、あなたは全部体験してから決めるという保守的な方法を選びました。

リスクヘッジとは、不確実なことに対してある程度のリスクを予測して、リスクに対応できる体制を取って備えることです。(事前に教授助手にルールを確認しておくetc.)

私は授業で、判断力と決断力、マーケティング、クリティカルシンキングについて教えています。

私からするとあなたの言い分は、自分がしておくべきことを怠り、その結果に対しての責任を取りたくないという風に聞こえます。

ちなみに私は、授業中にパーティー音楽をかける、机をトイレ代わり使う、教室でムダ毛処理をする、こういう行為を生徒に禁止するルールを設けていません。

これらは基本的なマナーだと思うのです。

あなたは良い大人であり、明日のビジネス界で活躍を期待される人材ですよね。

少し真剣にお話しします。

私はあなたのことを知らないし、これから知ることもないでしょう。あなたに親近感も敵意も持っていません。あなたは私にとって、パソコンの送信ボタンを押したことを後悔しているであろう無名の生徒です。

今からちょっとだけ厳しいことを言いますが、心の準備はいいですか?

「XXXXさん、頭の中を整理をしなさい」

いい仕事につく、長時間働く、スキルを磨く、組織の舵をとる、ライフワークバランスを見つける。これらはどれも本当に大変な作業です。

反対に、決まりごとに敬意を払う、良いマナーを習得する、少しの謙虚さを身につける。これらは比較的簡単なことです。

まずは簡単なことをちゃんとできる人になりなさい。

それ自体はあなたを成功に導きません。でも基本的なことがちゃんとできないと、あなたのポテンシャルを最大限に発揮できない可能性があります。

この学校に通えるほど優秀なのだから、きっと今から始めて遅ぎることはありませんよ。

最後にもう一度、メールをありがとう。

ギャロウェイ教授より

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あなたならこのメールを、どんな風に受け取りますか?

さて、今回の洋書ブックレビューは以上です。

編集者コメント:

実はこの本、言葉遣いが自分に合わないのか、頭にすっと入ってこない部分が多々あり、読むのに苦戦しました(^^;)

つい読みやすい本を選びがちなので、自分の読解力をあげる良い機会になったと思います。

本を読みながら、学生時代、授業が始まったら鍵をかけて入れないようにしちゃう先生とかいたなー、なんて懐かしくなりました。

さて、最後にもうひとつだけ、この本でいいなと思ったページを紹介して終わります。

それは、年齢と幸福度の関係を表したグラフ。

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☺︎文字= 幸福度

(本文より)
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この本によると、私たちの人生に対する幸福度は一生の中で2回ピークに達します。

1回目は子供〜大学生までの学生時代。2回目は60代以降のシニア時代。

ほとんどの人は、人生に対する幸福度が20代中盤から下がり始め40代で一番低くなります。

50代に入るとまた上がり始めて、そこからはゆるやかに上昇し続けます。

60代になると、人生のタイムリミットを意識し始めることで、今まで当たり前だと思ってきたことにも感謝の気持ちが生まれ、幸せを感じる瞬間がどんどん増えていきます。

苦しくてたまらなくなった時や、将来に漠然とした不安を感じた時は、ぜひこのグラフを思い出してください。

楽しいことが先で待っていると思うと、心が少し軽くなりますよね。

頭の片隅に覚えてもいてもらえると嬉しいです。

それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。

また次回、お会いしましょう!

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